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民事信託のアパート管理への活用

Category: コラム Posted on

土地・建物名義を別にしたり、共有にすることのリスク

沖縄では、財産に収益物件が含まれており、相続人間でその処理方法がまとまらなかったり、あるいは、財産を分散させることによる節税効果を目的として、マンション・アパートを家族・親族の共有にしたり、敷地の所有者と建物の所有者を分けるケースがあります。

しかしながら、このような取り扱いは、率直に申し上げて、「やめた方がいい」と思います。

兄弟姉妹の関係は、親族ではありますが、同時に、それぞれが独立した家庭を持つ個人であることを忘れてはいけません。親の目線と子供同士の目線は全く異なります。

弁護士に相談に来るケースでも、こうした「名義を分けてしまう」やり方がこじれてしまった場合が多くあります。

アパート管理における信託のメリット

これに対して、民事信託は賃貸アパートなどの収益物件の管理に使い勝手がいい制度です。

信託は、物件の所有権と物件の賃料収入を受け取る権利を分離させることができますので、アパート自体の所有権は1人に集中させたうえで、収益を受け取る権利のみ他の相続人など利害関係者に分配できます

この様にしておけば、受益権を受け取る側にも納得感がありますし、管理などをめぐって解決困難な争いに発展することも防ぐことが出来ます。

ただ、相続が発生した後に信託を設定しようとすると、「誰が受託者になるか」をめぐって意見がまとまらないこともありますので、親の責任として、生前に受託者を誰にするかは決めておく必要があります。